【書籍】災害ドキュメンタリー映画の扉 東日本大震災の記憶と記録の共有をめぐって
2020年12月15日
東北大学東北アジア研究センター災害人文学研究ユニットが2018年から2019年にかけて開催してきた災害人文学研究会の記録集として、『災害ドキュメンタリー映画の扉 東日本大震災の記憶と記録の共有をめぐって』を新泉社より刊行いたします。
東日本大震災以降、東北大学では文系理系それぞれの専門家がさまざまな方法で災害復興や防災にかかわる実践的調査研究を行ってきました。災害人文学研究会では、毎回一作の東日本大震災にかかわるドキュメンタリー映画を上映し、作品の監督などの制作者たちと、内容に関連する分野の研究者たちの対話を行なってきました。映画・映像による地域社会の防災力を、記憶・記録の継承と未来の災害予防の両方向に活かす方法論を探る実践の記録です。
紹介文(新泉社・ウェブサイトより)
『災害ドキュメンタリー映画の扉 東日本大震災の記憶と記録の共有をめぐって』
東日本大震災の被災地において、ドキュメンタリー映画の撮影・制作・上映はどのように行われてきたのか——。
映画が生み出す対話の力を制作者たちと考える、異色のドキュメンタリー映画論。
《未来との対話としての「震災映像アーカイブ」》
数えきれないほどの作品があると考えられる、東日本大震災に関するドキュメンタリー映画。記憶の継承と防災を私たち一人ひとりが担っていく課題として考えたとき、多くの人に観賞され共有される映画は大きな力を生み出す。
被災地において、それらの作品はどのようなかたちで、どのくらいの数がつくられ、上映されてきたのだろうか。映画作品をアーカイブとして公的な場で収集・保管・公開することは難しく、その全容の把握は困難である。
本書は、「震災映像アーカイブ」の一つの取り組みとして、東北大学における上映会の記録と、映画制作者たちとの対話をまとめたものである。東北大学の災害人文学グループでは、東日本大震災発生以降、文系・理系さまざまな領域の研究者らが共同活動を行ってきた。
本書はそうした成果の一端として、学問領域を越えて多様な専門家の知見を持ち寄り、ドキュメンタリー作家たちと対話を行ったユニークかつ貴重な記録である。
《本書内紹介作品》
NHK特集ドラマ『ラジオ』/『廻り神楽』/『被ばく牛と生きる』/『赤浜ロックンロール』/『ガレキとラジオ』/『おだやかな革命』/『福島 生きものの記録』
書籍情報
災害ドキュメンタリー映画の扉 東日本大震災の記憶と記録の共有をめぐって
是恒 さくら/編高倉 浩樹/編
A5判272頁2500円+税
ISBN 978-4-7877-2001-6
2021.01.08発行
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