ACHIEVEMENT

 

活動成果

【活動報告】インドネシア、バンダ・アチェの障がい者とともに災害について学び、備える(令和6年7月17日―7月26日)

2024年8月08日


2024年7月17日から7月26日まで、国際研究推進オフィス・ボレー・セバスチャン准教授、災害医療情報学分野・朴慧晶助教、およびインドネシアの協力者であるSyiah Kuala大学のAlfi Rahman教授は、インドネシアのバンダアチェで災害と障がいに関わるフィールドワークを実施した。この国際協力は、社会レジリエンスを強化、災害リスク軽減への包括的なアプローチを開発することを目的としている。

2004年インド洋津波災害から20年後の災害と障がい

インドネシア・カファラー(NGO)
フォーカスグループインタビュー

我々の研究チームは2023年7月より、インドネシア・バンダアチェで障がいを持つ当事者や障がい者のための福祉・防災に携わる団体へのインタビューを行ってきた。今回はインドネシアのカファラー(Kafala)現地事務所の協力を得て、10名以上の当事者たちとインタビューを実施した。グラフィックデザインに携わる聴覚・言語障がいのある20代の若者から、視覚障がい者のためのNGOを率いる年配の男女まで、多様な人々の経験について聞いた。また、身体に障がいを持つ2人の若者に、YouTubeのコンテンツクリエイター(フォロワー約40万人)と障がい者活動家としてのそれぞれの生活について聞いた。これらのインタビューを通じて、アチェ社会における障がい者の災害認識や経験、社会との関わりやコミュニティ、地位や福祉に関する洞察を得て、障がい者について包括的な姿を把握した。

インタビューでは、彼らのニーズと同じくらいの能力についても多くのことが明らかになった。彼らは、インクルーシブ防災を達成するには、障がい者のエンパワーメントが必要だと考えていた。これらのインタビューの成果として、インタビュー対象者の一部とカファラ財団の代表者が、AIWEST-DR学会(2024年11月8日〜9日)の「災害と障がい特別セッション」に招待された。特に、ボレー准教授は障がい者の世界でく人が彼らのコミュニティと経験を共有する包括的なプラットフォムを提供することを目的とする「アビリティプロジェクト」と言うコンセプトを提案した。

障がいを持つ生徒たちのための災害備えプログラム

災害認識を高めるための彩色活動

2つ目の活動は、7月22日から24日までSLB TNCC (Sekolah Luar Biasa the Nanny Children Center) で災害教育および避難訓練を行った。参加者には、SLB TNCCの33人の教師と身体および知的障がを持つ60人の生徒たち、われらの研究チーム、NGO、Basarnas Aceh (インドネシア国家捜索救助機関) の支援者が含まれていた。1 日目は、教師のトレーニングで、英語とインドネシア語ヴァージョンの資料を最終レビューを行った。2 日目は、自然災害と早期予防策について生徒に紹介し、意識を高めることに重点を置かれた。3日目は、地震と津波における対応・避難訓練を行った。

私たちの観察と参加者全員とのフィードバックセッションに基づくと、このイベントは集団的・機械的な連帯感を高め、災害リスク認識を向上して災害が起こるとき自分の命を守ることができるようにした。このプログラムはまた、教師間、教師と生徒間、そして生徒同士の相互支援を促進した。このプログラムは、参加者が危険や危険な状況について積極的に学び、自己防衛行動を学び、学校内で避難を練習できるように、適応されたタスク(ビデオ、カードゲーム、危険の彩色など)で構成された。最後に、生徒と教師の積極的な参加を称賛し、能力を証明し、授業と訓練を自分たちのものにした。この活動が地元のニュースで報道されているように、この経験は学校に永続的な影響を与え、同様のことへの道を開くことができた。

SLB TNCCでの災害ワークショップ: Drop, Cover, and Hold on セッション

避難訓練の様子

最後に、ボレー准教授、朴助教、アルフィ教授は、シアクアラ大学の津波・災害軽減研究センター(TDMRC)のシャムシディク教授を訪問し、2024118日〜9日にバンダアチェでの2004年インド洋津波災害の20周年を記念するAIWEST-DR 2024について話し合いた。シャムシディク教授は、社会的包摂能力とレジリエンス力を構築するためのより幅広く包括的な視点を提供することには、障がい者の経験に関する私たちの研究の重要性と独創性についてコメントした。災害と障がいに関わる特別セッションに加えて、シャムシディク教授は、今後インドネシアで開催される災害対策活動に関する全国会議で私たちの研究結果を発表するよう招待してくれた。

文書作成:国際研究推進オフィス ボレー・セバスチャン, 災害医療情報学分野 朴慧晶

テーマ:hazard, disaster, disability, vulnerability, resilience, 2004 Indian Ocean earthquake and tsunami, inclusiveness

URL

  • https://www.kafalahindonesia.org/
  • https://www.slbtncc.sch.id/
  • https://aiwest-dr.usk.ac.id/#overview