災害科学コアリサーチクラスターの目標
災害科学の創成と体系化
災害対応サイクル理論を適用することで4つの科学分野を融合させ、学内での学際連携を基盤とした「災害科学」の学問研究領域を創成する。さらに、APRU組織などで始まりつつある災害科学研究ネットワークを発展させ、国際共同研究の強化や国際学術会議の開催を通じて「災害科学」の体系化を図り、世界をリードする国際的なジャーナルを創刊する。国際社会での防災・減災への貢献および人材育成
国連開発計画と連携して設立した災害統計グローバルセンター等の活動を通じ、世界各地の防災・減災への現状を把握した上で、世界の防災能力の向上に貢献する。さらに、世界防災フォーラム等で国連機関や国際社会と議論し,数値指標による評価を通じたレジリエンス社会の構築を先導する。同時に、世界各地域に適した防災対策の実践や災害時に臨機応変に対応できる高度専門人材の育成を担う。災害科学のロゴ
クラスターを構成する「領域」と「プロジェクト」
専門性を生かした災害の学術研究「領域」
- 災害理学研究領域
- 実践的防災学研究領域
- 災害医学研究領域
- 災害人文学研究領域
領域を跨いだ学際研究「プロジェクト」
- ハザードリスク科学プロジェクト
- リアルタイム科学プロジェクト
- 被害快復科学プロジェクト
- コミュニティ復興科学プロジェクト
研究ロードマップ
ハザードリスク科学
- 多岐にわたる自然災害に対する、それぞれの被害およびリスクの統合的な理解と評価方法の確
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- 各種自然災害の発生原因および発災様式について専門的な研究を深化
- 共通した視点での発災様式の比較・類似点の抽出を行い、それぞれの発生リスクについて同一の表現方法で評価
- 複数の種類の災害が同時に発生した場合に想定される被害について把握
- 上記のマルチハザード対応の視点により、効果的な防災・減災の手段を提言
- 【国際連携】 ボアヂチ大学(トルコ)、GNS(ニュージーランド)、台湾中央研究院など
リアルタイム災害科学
- 発災直後の迅速な被害把握と災害救援活動を支える新しい「リアルタイム災害学」の学理体系を確立
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- センシング・シミュレーション・ビッグデータ分析・空間情報科学の融合と深化
- 災害過程の時間軸と社会のニーズに応えるアウトカムを創出
- 計測・推論・予測の融合(データ・フュージョン)、デジタルツインコンピューティングによるwhat-if分析を通じた最適解の探索
- 災害発生からの時間の制約に負けない(時間軸のタフさ)科学技術の体系を構築、及びその社会実装
- 【国際連携】 UW(津波)、ドイツ航空宇宙センター(センシング)、オレゴン州立大(津波,デジタルツイン)、UCL(津波,レジリエンス),シャクアラ大(APRU,国際連携)など
被害快復科学
- 発災から復旧に至る「安全・安心な心身快復とひとづくり」の学理体系を確立
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- 人のこころとからだの健康を快復させるために必要なシステム作成
- 次世代型避難所を支える情報・エネルギーの技術革新と、社会運用基盤を形成
- 女性、子供と若者、障がい者、高齢者、要介護者、在留外国人などの声を取り入れるインクルーシブな防災の実現
- メンタルヘルスケアを含む災害保健医療の高度人材育成
- 健康を中心として考える都市計画
- 【国際連携】 WHO研究開発センター、ハーバード大学、香港中文大学、ピエモンテオリエンターレ大学、バンドン工科大学など
コミュニティ復興科学
- 災害の経験や教訓を次の災害を乗り越えるための知恵として形式知化することによって復興科学という新しい学問領域を創生
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- 過去の災害経験を集積した災害アーカイブ
- 災害ガバナンスと地域づくり
- 歴史文化遺産の保護活用
- 多文化防災・災害ツーリズム
- 上記の視点から被災社会を過去から現在までの変化の中に位置づけると共に多様性や少子高齢化などの現代的課題に対応し、住民のWell-being実現を目指す社会形成の方策を提案
- 【国際連携】 四川大学、カジャマダ大学、インドネシア大学、ワシントン大学(都市計画)など
参加部局
- 環境科学研究科
- http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/
- 加齢医学研究科
- http://www.idac.tohoku.ac.jp/
- 災害科学国際研究所
- http://irides.tohoku.ac.jp/
- 東北アジア研究センター
- http://www.cneas.tohoku.ac.jp/