第7回東北大学災害科学研究拠点セミナー 兼 第20回災害科学国際研究所「災害と健康」学際研究推進セミナー
2019年2月01日

『死者におくる卒業証書:東日本大震災と子どもの慰霊』
東日本大震災では多くの児童生徒も死亡しました。犠牲となった子どもへ、公立学校が独自の判断で「卒業証書」を授与していることがわかりました。死亡して学籍を喪失した児童生徒に対して、法定文書である卒業証書を授与することには法的根拠はありません。遵法意識が高い公立学校において、なぜ授与が行われたのでしょうか。登壇者は死亡児童生徒が在籍した公立学校への実態調査を実施し、その意味や発案者(学校なのか,遺族なのか)などを探ろうとしました。その結果、憲法・教育基本法で宗教的活動が厳しく禁止された公立学校における民俗的慰霊の意味が込められていることが推測されました。
また、非業の死を遂げた子どもの関係者に対する心理的ケアの観点から、示唆的な結果であると考えます。
震災に携わる様々な立場の方々にご参加いただき、多様な意見交換の場となる事を期待しております。
日時
2019年2月21日(木)18:00〜19:30
講師:大村 哲夫(東北大学大学院文学研究科・文学部 実践宗教学寄附講座 助教)
主催:災害科学 世界トップレベル研究拠点、「災害と健康」プロジェクトユニット
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災害と健康プロジェクトユニット